もう一匹の「ノンちゃん」は昨年のの11月駅前に拾てられていたコで、夫が連れて帰ってきました。病気がちだったので、ほかの二匹からは隔離し、夜通し交代で看病しました。おかげで今ではすっかり元気です。 最初に見たとき、その姿形からヒマラヤンだと思い込み、「長毛種のネコがきたぞ!!」とみんなに自慢しましたが、一ヶ月たち、二ヶ月たっても毛がのびてこず、猫通を自任する私としては恥ずかしい思いをしました。結局シャムの混血だったようです。
でも、性格はシヤムそのもの。活動的で、好奇心旺盛で、私がこっそり何かをしようとしても、どこからともなく現れ「ね、ね、ニャにしてるの?ぼくも、ぼくも。ニャかま(仲間)に入れてよ」と、頭を突っ込みます。
で、ついたあだ名が「どこでもノンちやん」この原稿を書いている今も、紙の上に乗ったり、背中に乗ったりしています。少々手が焼けますが、憎めないコです。
夫は昔から猫好きで、家に帰ると、私よりまず「ただいま〜〜〜。シーちゃん、クーちゃん、ノンちゃん」と三匹の猫を呼び集めます。そして、おんぶにだっこ、顔にスリスリ、チュッチュッ。
やきもちを焼く気も欠せ、見て見ぬふりをしています。
ノンちゃんが来るまでは二匹の猫に留守番をさせ、テントを担いで週末登山に出かけていましたが、最近はせいぜい近所のやぶ山に登るだけ。すっかり出無精、デブ性になりました。
子どもがいないので猫のパパ、ママ状態ですが、これからも二人と三匹で仲良く暮らしていきたいと思っています。
以上の文章は 朝日新聞社発行「週刊朝日」1996/9/6号 定価280円
"どんなくらぶ犬ばか猫ばかペットばか"(85ページ)のコーナーに掲載していたたきました。
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